介護保険

介護保険では、要介護の有無にかかわらず40歳以上の全国民に保険料を納付する義務があります。

  • 介護保険制度とは

    介護保険制度は、自治体(市区町村)が保険者となって運営し、申請の受付や認定などの手続きも自治体(市区町村)が行います。40歳以上の人が被保険者(加入者)となって保険料を納め、 介護が必要であると認定されると、認められた範囲内で介護サービスを自由に選び、利用することができます。

    介護保険が目指すもの

    厚生労働省では介護保険の目標として以下の4つを掲げています。

    利用者が自由にサービスを選択できるようにする
    福祉と医療のサービスを一体的に提供する
    多様で効率的なサービスを受けられるようにする
    社会的入院などを是正し、医療費のムダを解消する
    社会的入院とは・・・いわゆる介護や看護だけを目的とした長期入院のこと。治療、リハビリが目的ではないため、入院が長期化し、医療費が膨らむことから社会問題となっています。

    健康保険との違い

    介護保険と健康保険の大きな違いは次の3つです。

    介護保険 健康保険
    ①保険給付 要介護・要介護認定をうけなければ保険が使えない 保険証を提示すれば誰でも保険が使える
    ②サービス内容 運営する市町村によって異なる 基本的には全国共通
    ③給付上限 状態(要介護度)によって上限額が限定される 上限はない(必要な診療すべてが保険の対象)

    当組合の役割

    介護保険の運営は市町村・特別区(東京23区)です。一方、健保組合の役割は、①第2号被保険者の人数の管理②第2号被保険者の保険料徴収の2つになります。

    介護保険制度のしくみ

    高齢者が地域社会で自立した生活を送れることを目指し、軽度の介護状態にある人は、それを改善、または維持できる「予防重視型システム」が順次整えられます。

    介護保険に加入する人

    介護保険制度では、40歳以上の人はすべて被保険者として加入し、保険料を納付します。ただし、年齢によって、第1号被保険者・第2号被保険者に分けられ、保険料の金額やその納付方法など、違うところがあります。

    第1号被保険者

    65歳以上の全国民

    その原因を問わず、入浴、排泄、食事などの日常生活に常に介護が必要となったときは、介護サービスをうけられます。

    第2号被保険者

    40~64歳の医療保険に加入している人

    保険給付対象となる病気(特定疾病)が限られています。

    介護保険:被保険者証

    介護保険の被保険者証は「介護保険証」ともいいます。
    第1号被保険者(65歳以上)は市町村から全員に交付されます。
    第2号被保険者(40〜64歳)は全員に交付されず、要支援・要介護の認定をうけた人と交付申請をした人に限られます(申請・交付するのは市町村になります。当組合ではありません)。

    40歳以上の「被扶養者」の介護保険料について

    介護保険では被扶養者という概念はなく、40歳以上の国民はだれもが介護保険の被保険者となります。したがって、当組合に加入している40~64歳の被扶養者も介護保険の第2号被保険者となりますが、その被扶養者(家族)の介護保険料を被保険者本人から徴収するかどうかについては、健保組合ごとに組合会で審議し、取り決めることが認められています。なお、当組合では被扶養者(家族)の介護保険料は徴収しておりません。

    保険料の決め方

    健康保険組合には毎年、年度ごとに支払うべき介護保険料の総額(以下介護給付費納付金という)が「社会保険診療報酬支払基金」より通知されます。健康保険組合は「介護給付費納付金」を、加入している第2号被保険者(健康保険の被保険者本人)の「標準報酬月額の総額+標準賞与総額」で割って、介護保険料率を決め、介護保険料を個別に算出・徴収します。
    なお、徴収した介護保険料は、「介護給付費納付金」として「社会保険診療報酬支払基金」に納付し、そこから各市町村へ交付されるしくみです。

    当組合の介護保険料率
    令和6年3月1日現在(ただし、任意継続被保険者は令和6年4月1日より)

    介護保険料(40歳から64歳までの被保険者は負担)

    介護保険料率
    被保険者 事業主 合計
    9.2


    1000

    9.2


    1000

    18.4


    1000

    上記介護保険料は給与・賞与等から天引きされることになります。

    介護保険(サービス)にかかる総費用の負担割合

    第2号被保険者の保険料について
    徴収方法→
    健康保険組合など加入先の医療保険が、給与・賞与から天引きします。
    決め方 →
    ①〜④の流れで決まります。
    介護給付費納付金の通知が健康保険組合に届く
    第2号被保険者の加入者総数×1人あたりの介護保険料負担額(全国平均)=介護給付費納付金
    ①から介護保険料率を算出する
    介護給付費納付金÷(第2号被保険者の標準報酬月額の総額×12ヵ月分+標準賞与総額)=介護保険料率
    組合会で介護保険料率の負担割合を決める(当組合の被保険者本人と事業主の負担割合は原則として折半です)
    第2号被保険者個々の介護保険料を算出する
    第2号被保険者の標準報酬月額×介護保険料率(本人負担分)=介護保険料(1人あたり月額)
    標準賞与額×介護保険料率(本人負担分)=介護保険料(賞与等支払いのつど)
    備 考 →
    任意継続被保険者は健康保険料同様、全額自己負担となります。
    第1号被保険者の保険料について
    徴収方法→
    居住地の市町村が徴収します。年金額が18万円(月額15,000円)以上の人は年金から天引きします。それ以外の人は市町村が個別に徴収します。障害年金・遺族年金の受給者についても、年金から天引きされます。
    決め方 →
    市町村は、介護サービスの供給体制に応じて保険料を算定し、各市町村で加入者の所得に応じて独自に段階分けし、保険料を設定します(低所得者には負担軽減措置も)。
    備 考 →
    市町村により介護サービス提供体制や高齢者の加入比率が違うため、保険料に格差が生じます。
    調整交付金とは・・・
    65歳以上の人の保険料が高くなりすぎないようにするための財源です。

    保険給付

    保険給付は、原則として介護サービスという「現物給付」の形で行われます。給付は設定された「要介護度」によって支給限度額があります。「要支援」に認定された場合は、保健師によってプランが作成される介護予防サービスの対象となります。また、「自立」の人も、「地域支援事業」という形で介護予防に関するサービスをうけられます。

    「要支援1、2」の人を国の介護保険制度から外して市町村の事業に移すことや、所得の高い人の自己負担額を引き上げる(所得の低い人は引き下げる)ことなどについて、平成27年4月より順次施行することとなっています。

    保険給付のしくみ

    地域密着型サービス

    地域によって住民の考え方などが違うことから、通常の介護サービスに加え、地域ごとの特性に合わせた「地域密着型サービス」も利用できます。

    夜間対応型訪問介護、認知症対応型通所介護、小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護など(市町村によっては、利用できないサービスがあります)。

    被保険者の自己負担

    介護サービスを利用する際、被保険者は…

    利用料の1割を自己負担します。
    施設サービスを利用する場合は食費、居住費や日用品代を別途自己負担します。
    その他早朝・夜間・深夜・送迎などの保険外のサービス料を自己負担することがあります。
    なお、1割の自己負担が著しく高額にならないよう、一定の上限額が設定され負担の軽減が図られます(低所得者ほど軽減されるしくみ)。
    お問合わせ 申請・認定・給付について、詳しくはお住まいの市町村担当課へお問い合わせください。